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派遣切りとは?取るべき行動と、相談の流れを解説!

働き方が多様化している現代では、その雇用形態も様々です。

中には正社員にこだわらず、非正規の派遣社員として働いている人も少なくありません。

ビジネス界では「派遣切り」というキーワードが度々話題に上がりますが、自分の身にも起こりうる事であるという認識が大切です。

今回は派遣切りという言葉の意味やその仕組み、実際に起きた場合の対処法・相談の流れを紹介します。

派遣切りとは

派遣切りとは「派遣先企業が派遣社員の契約を途中解約する、または契約更新をしない事で派遣社員が働けなくなる事」を意味する言葉です。

この言葉は2008年のリーマンショックにより、様々な業界で大規模な派遣社員の契約打ち切りが発生した事で広く知られるようになりました。

リーマンショックによる派遣切りの影響は国内においても甚大で、2008年11月時点での派遣失業者は約3万人(厚生労働省発表)、翌2009年7月の完全失業率は5.7%(総務省発表)にも上ったとされているのです。

派遣切りという現象の仕組みを理解するためには、まず労働者派遣契約について知っておく必要があるでしょう。

まず、派遣社員は人材派遣会社に登録して「雇用契約」を結びます。人材派遣会社は派遣社員を求めている企業と「労働者派遣契約」を結び、必要に応じて登録されている人材の中から労働者派遣を行うという流れです。

ここでは「派遣社員の雇い主は派遣先企業ではなく、人材派遣会社である」という点が重要になります。派遣社員と派遣先企業の間には法的な契約関係が存在せず、業務における従事・指揮命令の関係です。

派遣切りに遭うという事は派遣社員としての契約を解除される事であり、それはつまり人材派遣会社と派遣先企業の間で取り交わされている労働者派遣契約の解除を意味しています。

人材派遣会社としても派遣先企業が確保出来なければ、自社で登録している人材を持て余してしまい余計な維持管理コストが発生するでしょう。

そのため、派遣先企業との契約解除に伴って派遣会社が派遣社員との雇用契約を途中で打ち切る事があります。これが派遣切りの正体なのです。

通常、予め就労期間が定められている派遣社員との雇用契約を途中で解除する事は認められていません。

しかし、前述のように派遣先企業との契約が途中で解除されるなど特別な理由により派遣切りが発生してしまう可能性はあります。

派遣切りにより発生する問題点としてはもう1つ「雇い止め」と呼ばれる現象があります。

一般的に定められた契約期間を満了した派遣社員は、契約更新によって同じ派遣先で働き続けるケースが多いです。

もちろん派遣社員の希望や事情によって契約更新を行わない場合もあります。

ただし1回以上の更新実績がある・もしくは1年以上継続して雇用している場合については、「派遣会社・派遣先企業は契約の実態や派遣社員の希望を考慮し、可能な限り契約期間を長くするように努める」という方針が厚生労働省によって打ち出されているのです。

派遣切りによって派遣社員が今までの派遣先で働けなくなる事が「雇い止め」と呼ばれています。

雇い止めに関しては人材派遣会社による新しい派遣先の紹介や、途中解約の場合は給与の60%が休業手当として支払われるなど対策が講じられているので覚えておきましょう。

企業が派遣切りを行う理由

派遣先の企業は元々人手不足を解消するために人材派遣会社との契約を結んでいます。

にも関わらず何故派遣切りが起きてしまうのか、そこにはいくつかの理由が考えられます。ここでは派遣切りの原因を大きく3つに分けて見てみましょう。

業績低迷による人件費削減

派遣切りのきっかけとなる大きな原因の1つが、派遣先企業の業績不振による人件費削減です。

企業の業績が悪いという事は、商品やサービスが売れない状態が続いている事を意味します。状況次第では製造ラインや物流網をフル稼働させる事が難しくなり、業務に従事出来ない人が出てきてしまうのです。

経営状況が悪化している企業には仕事が割り当てられていない従業員に給与を支払う余裕はありません。

こうなると人件費削減のために、人材派遣会社との契約を打ち切り派遣切りに踏み切るケースも少なくないと言えるでしょう。派遣先を選べるのであれば、業績が安定している勤め先を紹介してもらうのがおすすめです。

「何故正社員ではなく、派遣社員から解雇されるのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。まず、派遣社員は時給換算の給与が正社員よりも高めに設定されている事も珍しくありません。

とりあえず直近で必要となる人件費を抑えるためには、派遣社員の数を減らす事が手っ取り早い方法です。

ただし、一般的に賞与・福利厚生などを含めた年収は正社員に軍配が上がる点には留意しておきましょう。

また、正社員は企業が採用活動から始めて何年も教育を重ねて来た人材です。正社員を解雇するとそれまでの教育コストがムダになってしまうため、企業としても痛手となります。

会社都合で正社員を解雇する場合には所定の退職金を満額支給する必要があるため、業績不振の中で安易に解雇するとかえって自社の財務状況を悪くしてしまう可能性もあるのです。

勤務態度・能力への問題

派遣切りの原因は派遣社員当人に問題があるケースもあります。このパターンには「勤務態度が著しく悪い」「派遣先の業務に対してスキルが足りていない」といった例が挙げられるでしょう。

基本的にちょっとしたミスや病気による欠勤、専門的な業務に対する知識不足といった事は正社員でも起こり得ます。

これらの状況が発生したからといって、すぐに派遣社員が解雇される訳ではありません。しかし、このネガティブな状態が長期間継続されているようであれば、派遣切りの対象になる事は十分に考えられます。

勤務態度が悪い従業員の存在は周囲の従業員にとっても良くない影響を及ぼす事が懸念されます。したがって、最初のうちは更正するように派遣先から指導が行われるのが通常です。

何回か指導を行っても改善されない場合は人材派遣会社に連絡が入り、契約期間中であっても労働者派遣契約が途中解約されてしまうでしょう。

また「この人材派遣会社からの派遣社員は態度が悪い」という評判が派遣先に根付くと、今後その派遣先企業から人材派遣が出来なくなる可能性もあります。

雇用形態に関わらず、1人の社会人として自覚を持った振る舞いを心がける事が大切です。

スキル・知識不足に関しては分からないところは積極的に質問する、しっかりメモを取る、働きながら資格の勉強を進めるなどの取り組みで十分に巻き返せるでしょう。

契約更新期間の上限によるもの

派遣切りは労働者派遣契約の更新期間上限によって行われるケースも多いです。派遣社員の労働は「労働者派遣法」という法律で細かく内容が規定されているので覚えておきましょう。

その中には「派遣労働者は原則として同じ派遣先の事業所に3年を超えて働く事が出来ない」という決まりがあります。

この決まりは俗に「派遣3年ルール」と呼ばれているものであり、本来はキャリアを積んだ派遣社員の正社員登用を促すために制定されたものでした。しかしこのルールが派遣切りの引き金にもなる可能性があるのです。

派遣先企業では同じ派遣社員を3年を超えて働かせる場合、基本的には「異なる部署に異動させる」「正社員として雇用する」という二択を迫られます。

前者の場合はこれまでと異なる業務に派遣社員を従事させるため、思ったようにパフォーマンスを発揮してもらえない可能性が高くなる点がデメリットです。

一方後者の場合は福利厚生や賞与など、正社員登用するにあたってのコストが発生します。こうしたリスクを回避するために3年間の雇用契約をきっかけに雇い止めとして、事実上の派遣切りを行う企業も多いです。

派遣切りされた後に取るべき行動

派遣切りに遭った派遣社員が何も為す術がないのかと言えば、そういう訳ではありません。

仕事は生活を支える基盤であるため、なるべく早めの対処がカギを握ると言えるでしょう。ここからは私たちが推奨する派遣切りされた際の対処方法を紹介していきます。

次の派遣を探す

派遣切りされたらいっその事割り切って、すぐさま次の派遣先を探し始めるのも有効な手段の1つです。

派遣先企業で働き続けられなくなっただけであれば、人材派遣会社での登録は継続されているので相談に乗ってもらいましょう。

元々利用している人材派遣会社であれば派遣社員のスキル・性格・希望条件などを把握している可能性が高いので、次の派遣先を見つけてもらいやすいです。

なお、派遣切りに伴って人材派遣会社との雇用契約も解約されてしまっている場合、所定の条件を満たしていれば失業保険の受給が可能となります。

基本的な条件は「派遣社員としての就労期間中に雇用保険に加入していた」「働く意思があるにも関わらず働けない状態にある」「離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある」の3点です。

条件に当てはまっている場合は近くのハローワークに相談・申請する事を忘れないようにしましょう。

派遣切りは人材派遣会社と派遣労働者の間でもトラブルになりやすく、元の人材派遣会社を利用したくないという人も少なくありません。

そのような場合は新しい人材派遣会社を探すのも手ですが、その他の相談窓口を検討してみるのも良いでしょう。例えば前述のハローワークは国が運営する就職斡旋機関です。

また、私たちのような転職エージェントを活用する事で活路を見出せるケースも少なくありません。

派遣切りの正当性も含めてよく相談したい場合は、厚生労働省が各都道府県に設置している労働者派遣事業に関する相談窓口や、全労連が開設している労働相談ホットラインなどを利用してみましょう。

正社員での勤務を目指す

派遣切りの対処法には、正社員としての勤務を目指すというアプローチも存在します。一口に派遣切りといっても派遣先企業の事情は様々です。

場合によっては「事業が安定してきたので、派遣社員の人手を減らしてノウハウを蓄えた自社社員で業務を賄いたい」というケースもあるでしょう。

このような場合は派遣切りをむしろ正社員登用へのチャンスと捉える事も可能です。

ただし、自分1人で派遣先企業と交渉してもあまり良い結果は望めません。まずは登録している人材派遣会社に相談して、正社員として雇用継続出来ないか一緒に掛け合ってもらうのがベターな方法です。

派遣先企業での正社員登用が叶わなかったとしても落ち込んでしまう事はありません。その場合には次のステップとして正社員雇用を目指してみましょう。

次の職場で正社員雇用となれば、基本的には安定して働き続ける事が出来ます。同じ業界や職種を選べば、派遣社員として働いていた期間の経験・ノウハウがアピール材料にもなるでしょう。

派遣切りを機に自分のやりたい事やスキルを見直し、新たに活躍出来る場所を探してみるのもおすすめです。必要であれば転職エージェントなどを利用して、効率的に正社員雇用の獲得を目指してみてください。

また、派遣切り後の転職活動には職業訓練の受講もおすすめです。職業訓練は失業者を対象に国が提供している再就職支援策の1つであり、経済的な支援を受けながら資格の取得やスキルの習得を目指します。

失業保険受給者向けの「公共職業訓練」と、失業保険を受けられない人を対象とした「求職者支援訓練」の2種類があるので注意しましょう。

この2種類は受給出来る手当てや訓練しているジャンルにも違いがあるので、事前によく確認しておく事が重要です。

不当解雇か就業規則など確認する

派遣切りは合法なケースと違法なケースが存在するため、すべての事例に共通して正解と言えるアプローチはこれと言ってありません。

そのため、まずは自分が遭った派遣切りが合法なのか違法なのかを確認する事が大切です。

人材派遣会社に相談する前にも、自分で確認出来るポイントが2つあります。それが「解雇・更新拒否の予告期間」と「解約理由の社会通念性」です。

まず第一に、企業が従業員に解雇や契約更新拒否の意思を伝える際には解雇・契約解除の30日前までに通知する事が義務付けられています。

これは労働基準法第20条にも記載がある法的な効力を持った決まりです。30日前までに通知を行わなかった場合、企業は不足日数分の平均賃金を解雇予告手当として従業員に支払わなければなりません。

直前に解雇・契約更新打ち切りを通知された上に解雇予告手当てが支払われていない場合は、違法な派遣切りに該当する可能性が高いです。

ただし、「天災などにより止むを得ない場合」「対象の従業員に懲戒解雇に相当するような行いがあった場合」などは解雇予告期間を必要としないので注意しましょう。

派遣切りの相談の流れ

派遣切りに踏み切る企業は財務的に追い詰められているケースも多く、容易に派遣労働者側の要求を受け入れない事も珍しくありません。

この場合、人材派遣会社に相談しても解決が見込めないため法律の専門家を頼るのが一般的です。万が一に備えて、自分が派遣切りに遭った際の相談の流れを把握しておきましょう。

弁護士に相談

派遣切りに関する問題は弁護士に相談するのが良いとされています。民間人が頼る法律の専門家としては他にも司法書士が挙げられますが、司法書士は書類作成の代行や登記を主な業務としている職種です。

これに対して弁護士は法的手続きの代行から相手方との交渉、裁判への代理出廷まで様々な業務を担当します。

派遣切り問題は基本的に派遣先企業との交渉にもつれる場合が多いので、交渉のプロフェッショナルである弁護士が適任なのです。

なお、一口に弁護士と言っても専門分野はそれぞれ異なります。例えば著作権問題を専門にしている弁護士に派遣切り問題の解決を依頼しても、あまり良い成果は期待出来ません。

そのため、弁護士への相談を検討する際には公式ホームページなどを参照して、派遣切りや労働問題に強い弁護士事務所を選ぶようにしましょう。実績が掲載されているのであれば一度目を通しておく事をおすすめします。

弁護士への依頼は、基本的に面談で詳細をヒアリングしてから内容を詰めていくのが一般的です。初回の相談を無料としている弁護士事務所も多いので、まずは気負わずに相談してみましょう。

また、派遣切りに遭っているという事はしばらく経済的に余裕がなくなる事も予想されます。

弁護士に依頼するには「相談料」「着手金」「成功報酬」「その他実費」など様々な費用が必要になるので、相談の段階でしっかり確認しておく事も重要です。

なお、各種料金設定は事務所ごとに異なるので注意しましょう。当座の資金が不足している場合には、弁護士費用を立て替えてくれる法テラスの利用も検討してみてください。

会社と交渉

弁護士との打ち合わせが終わって請求内容が固まったら、弁護士が派遣先企業との交渉に入ります。

弁護士と派遣先企業は電話口・書面などで直接交渉を進めるため、ここからは依頼者が派遣先企業とやり取りする事は基本的にありません。

解雇や雇い止めに違法性が確認されているのであれば、多くの場合この段階で派遣先企業が非を認めるでしょう。

交渉では就労中の書類が重要な資料となるケースも多いので、契約書や就業規則などは可能な限り用意しておくと安心です。

労働審判

弁護士と派遣先企業との交渉が成立しなかった場合、事態を解決するには労働審判を仰ぐ事になります。

労働審判とは裁判所で依頼者・弁護士・派遣先企業の代表者・裁判官が話し合いを行うものです。裁判ほど厳格なものではなく、一般的には申し立てから2~3ヶ月程度で結果が出ると言われています。

初回の話し合いだけで終わらない場合でも、その後2~3回の機会を設けて何かしらの結論が出されるので心得ておきましょう。

裁判を起こす

労働審判でも和解に至らなかった、あるいは労働審判の結論に納得が出来ない場合には最終手段として民事訴訟で裁判を起こします。

裁判までもつれた場合には判決まで短くても1~2年程度の時間を必要とするため、長期戦を覚悟しておきましょう。

なお、一般的な派遣切り問題では裁判までもつれた事例は稀です。2008年のリーマンショック直後には名古屋地方裁判所で派遣切りに関する裁判がありましたが、結果的には原告側の一部勝訴となっています。

裁判を起こせば必ず要求のすべてが通る訳ではない事に十分留意しておきましょう。

まとめ

派遣社員として仕事に従事する場合は経済の影響を受けやすく、社会情勢によっては自身の雇用が危機に晒される可能性があります。

例えば2008年のリーマンショックが代表的ですが、2020年の新型コロナウイルス流行も労働者に大きな影響を与えたと言って良いでしょう。

このような自力で解決出来ないような状況下では、雇用契約の形態によって有利不利が分かれる事も珍しくありません。

一概に安心とは言えませんが、比較的安定感のある正社員として働くという選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。

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