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保育の仕事内容とは?平均年収や活かせる資格、向いている人を調査!

子ども好きの天職として有名なお仕事といえば、まず「保育」が挙げられるでしょう。

実際に幼い頃、保育士の先生にお世話になった記憶がある人も多いはずです。

本記事では、そんな保育のお仕事にはどんな人が向いているのか、どんな経験や資格が活かせるのかをご紹介していきます。

保育士の仕事内容とは?

保育士の仕事は、大まかに言えば「保護者から子どもを預かり、保護監督を行う事」です。

未就学の子どもが通う施設としては、保育園のほかに幼稚園などが挙げられますが、幼稚園は文部科学省が管轄する「学校」の一種です。

幼稚園に通う子どもは決まった時間に登園・下園しますが、一方の保育園は厚生労働省に属する施設で、主に仕事などの事情で日中親が面倒を見られない場合に子どもを預かる事を目的としています。

そのため、親の迎えがあるまで園児を預かる事が幼稚園との大きな違いとして挙げられます。

本項目では、主に保育園で働く保育士が日頃どのような仕事に取り組んでいるのかを紹介します。

園児と遊ぶ

「保育の仕事」と聞いた人に一番イメージされやすいのは、やはり園児と遊んでいる姿ではないでしょうか。

保護者が子どもを見られない時間、子どもと代わりに遊ぶ事は保育士の大切な仕事です。

園児は遊びを通して、楽しみながらコミュニケーション能力や運動能力を伸ばしていきます。

そして同時に、日中に保育士や友達と遊ぶ事で、園児は適度に体力を消費する事ができます。

お昼寝をして体を休める習慣のある保育園も多いので、体力が有り余っていると、家でなかなか眠れずに朝の体調に響いてしまう…という事にもなりかねません。

園児が夜ぐっすり眠り、すこやかな発育をするためにも遊びは非常に大切なのです。

一方で、ケガや事故、子ども同士のトラブルが起きないよう監督しながら、上手に楽しませる必要があるため保育士にとっては気を遣う業務かもしれません。

しかし、園児の生き生きとした様子が間近で見られるのもこの時です。子どもが好きな人であれば、保育業務のうちでも楽しんで取り組める仕事といえるのではないでしょうか。

行事の企画・実施

保育園での行事を企画し実施するのも、大事な仕事の一つです。

入学式や遠足などのほか、クリスマスやひな祭りなど、日本の家庭で一般的な行事も行います。

キリスト教や仏教が保育理念の基盤にある保育園では、イースター花まつりなどを行う事もあり、特に園ごとの特色が表れる点と言えるでしょう。

時には保護者を招き、家族で行事に参加してもらう事もあります。

保育園には0歳~6歳までの子どもが通うため、園児の年齢に合わせてどんなレクリエーションが楽しめるかを考え、安全に終えられるように配慮する事も必要です。

保護者との連絡

保護者との間で園児の様子を報告しあう事も、保育士の重要な仕事のひとつです。

保育園(もしくは幼稚園)の時、親に連絡帳やお便りを渡していた」という覚えのある人も多いのではないでしょうか。

連絡帳は保育士と保護者が、お互いが知らない子どもの様子や、気になった事を教え合う貴重な機会です。

また、お便りは行事についての要項や最近の園児たちの様子、あせもや風邪など季節ごとに気をつけたい健康面の話題など、様々なお知らせを利用家庭すべてに届けるためのものです。

紙面にはかわいらしいイラストなどを載せ、普段は仕事で様子を見られない保護者にも楽しい雰囲気を伝える園が多いようです。

生活習慣の定着

保育園では、園児が健全な生活習慣を身に付けるために保護者に代わってサポートを行う事も保育士の仕事です。

手洗い・うがいや食事をする時の挨拶など、日々の生活を健康に送るための基礎的な習慣から、簡単なマナーまで実践とともに教えます。

しかし、家庭によって細かい習慣は異なるため、教えるのは初歩的な事にとどめ、あまり保育士の都合を押しつける事にならないような配慮が必要です。

保育士の平均年収

保育士は収入が低い、サービス残業が常である…とのイメージを持たれがちです。

実際の平均年収を調べてみると、公立保育園が336.0万円、私立保育園が314.4万円。(保育Fine!より)

全国の平均年収が441万円(『平成30年分民間給与実態統計調査結果』より)である事を考えると、確かに100万円以上の差がついている事がわかります。

しかし待遇は徐々に改善される傾向にあり、残業代全額支給、完全週休2日制など一般企業と変わらないかそれ以上の待遇で保育士を迎える施設も増えています。

また、家賃の何割か分の金額補助がある借り上げ社宅制度など、保育士の生活費を軽減し安定した暮らしに繋げてもらう試みなどへも各自治体が取り組んでいます。

ちなみに、保育士の収入に私立・公立間でなぜ差がついているのかといえば、公立の保育士は公務員の扱いであり、基本的に定期的な昇給があるためといわれています。

ですので、一般的には公立保育園で勤務する保育士のほうが収入が高くなる傾向にあり、主任や園長クラスになると年収に150万円強の差が出る事もあるようです。

引き換えに、公立の保育園に勤務する場合は私立の保育園よりも頻繁な異動があります。

エリアに強くこだわるのであれば、私立保育園の保育士を目指す選択肢も十分視野に入るでしょう。

保育士のやりがいは?

保育士のやりがいはやはり、子どもの成長を実感できた時にこそ感じられるといえます。

苦手だった事ができるようになったり、はじめは意味のない線を描いていた子が人や花など形あるものを描くようになっていたり、友達を気遣う事ができるようになっていたりと、日常の中にもその機会は数多くあります。

そして、卒業後も園児たちの成長を感じる機会は少なからずあるでしょう。

特に自宅近くの保育園へ通っていた子は、卒業してからも保育士に園外でばったり会うケースもあります。(筆者は幼稚園の先生を、フィットネスジムで見かけました。)

子どもの成長は早く、小学校に上がって数年にもなると背も高くなりだいぶ落ち着いた話し方をするようになる子がほとんど。

少し話してみただけで、卒園してからも日々色々な事を吸収している事を感じられるはずです。

また、時には卒園生みずから保育園を訪ねてくれる事もあり、「同じ場所に同じ子がいるのに、少しの間でこんなに変わるんだなぁ…」としみじみ感じるかもしれません。


仕事選び

保育士のメリット&デメリット

街で「先生」として園児たちと歩く保育士を見ていると、楽しい仕事であるという印象を受けがちです。

しかし、あらゆる仕事がそうであるように、保育の仕事にも利点と欠点が存在しています

本項目では、保育の仕事につきもののメリットとデメリットを紹介していきます。

保育の仕事に就くメリット

保育園が子どもを預かれる時間は標準8時間ですが、幼稚園ではその半分。

やはり、保育の場ほど子どもと長時間接していられる仕事はありません

子どもが好きな人にとっては、毎日多くの子どもの成長を見守れる、非常にやりがいを感じられる仕事と言えるでしょう。

また、数多くの園児に接し保育を行うという経験を必然的に積む事になるため、自分が子育てを行う際にも、様々な事態に落ち着いて対処できるというメリットもあります。

そして子どもと働く保護者がいる限り、保育士の需要もなくなる事はありません。

非常に社会貢献性の高い職業であり、勤務場所も保育園に限られなくなりつつあります。

現在では病院で医療従事者向けのサービスを提供する院内保育や、企業内の保育所など非常にさまざまな環境で活躍する事が可能となっています。

働き方もフルタイムから週数回、時短勤務など様々な形態から選択できるので、
保育士としての経験を積んでいれば、将来的にライフスタイルの変化があっても働き続ける事ができるでしょう。

保育の仕事に就くデメリット

先述したように、自由なキャリアの構築などメリットも様々にありますが、もちろん保育士の仕事にはデメリットも存在しています。

保護者が仕事をしている間子どもを預かるのが保育園であり、預かった子どもは保護者が迎えに来るのが基本ですが、残業など様々な事情からお迎えの時間が遅くなってしまう事もありえます。

基本的に子ども達が全員帰ってからの退勤となる場合が多いため、帰りの時間が日によって振れ幅があるという状況に陥りがちです。

退勤後に予定を入れづらいという点は、人によっては気になってしまうでしょう。

また、保育園には、さまざまな子どもがやって来ると同時に、保護者の背景や個性も様々です。

世間で「モンスターペアレント」と言われるような、施設や他の利用者に迷惑をかけてしまうような人が利用している可能性もゼロではありません。

そして、こうした仕事のつらい所としては、そうしたモンスターペアレントと接する機会は一度では終わらないという事です。

例えば販売職であれば、どのような無茶な注文をしてくる顧客であっても、清算をして見送れば一旦の対応は終わります。

しかし保育サービスを提供する施設では、一定の期間にわたって「ほぼ毎日」子どもを預ける事が前提のサービスを提供している場合がほとんどです。

毎朝、また顔を合わせなければいけない事を考えて憂鬱になってしまう事もあるかもしれません。

保育に向いている人ってどんな人?

では次に、メリット・デメリットを踏まえた上で「保育士に向いている人の特徴にはどんなものがあるか」を考えていきましょう。

第一には、やはり「子どもが好きである」事が挙げられるでしょう。

活発な子であれば、自発的にコミュニケーションをとってくる場合も多いもの。

そうした元気な園児を含め、多くの子どもと朝から晩までを一緒に過ごす事ができるのは、子ども好きな人であってこそでしょう。

そして、保護者から預かった子どもたちをしっかりと守り、成長の手助けをするという責任感がなければ、保育士は務まりません。

ですが同時に、ミスしてしまった時にあまり引きずらない事も重要です。

それぞれ性格やこだわりも違う子どもたちへの接し方に、絶対の正解はありません。

できる限りの思いやりを持って接し、そのうえで失敗してしまったと感じたときに「この子はこうなんだな」「でもあの子はこう」「3歳児は、おおむねこういう傾向があるみたいだ」と、都度学んでいけばいいのです。

そして、保育士として勤めるには「価値観をアップデートしていける人」である事も非常に重要です。

現在日本には多種多様な価値観(ご家庭によっては信仰なども)があり、家庭の事情も様々に異なります。

それらを自分の知識だけで「こうだ」と決めつけず、柔軟に理解を示していく事が保育においては特に重要であるといえます。

子どもたちにとって就学前の時期は、価値観の基盤を作る前の大切な期間であり、日中を一緒に過ごす保育士から受ける影響もけして小さくはありません。

例えば、多くの大人が違和感なく受け入れている「性別についての自意識」でさえ、幼児期の教育によって形作られる部分が少なからずあります。

未就学児を対象としたある調査では、教室の中で「男の子」と「女の子」に分けて集められたり、指示を受けたりする事で「自分は男の子(もしくは女の子)なんだな」という認識が子どもの中で急速に形成されていくという事がわかっているのです。

保育士は「先生」という、家族のほかではもっとも存在感の大きい大人です。

その意見によって、子どもたちが偏見をもって誰かを攻撃したり、あるいは家庭や自分自身を「ヘンなんだ…」と思い縮こまってしまったりする事のないように気を配らなければなりません。

常に「自分の考えは絶対ではない」という意識を持ち、学びを欠かさない人である事が特に現代の保育士には求められていると言えるでしょう。

保育の仕事を選ばない方がいい人ってどんな人?

反対に、保育の仕事を避けた方がよいのはどのような人なのでしょうか。

まず、臨機応変に動く事に大きなストレスを感じてしまう人は長く続けていく事が難しいかもしれません。

子どもはベテランの保育士でも驚くような挙動をする事があり、それらに冷静に対処していく必要があります。

保育園の中で起こすトラブルならまだ良い方で、元気の有り余っている子は保育園を勝手に抜け出してしまう事もあるそうです。そんな時の保育士の心労ははかり知れません。

ただ、臨機応変な対応に苦手意識を持っていても、実は「慣れていないだけ」で、取り組んでいくうちに対応力をぐんぐん伸ばしていける人もいます。

また、潔癖症のきらいがある人も保育士にはあまり向かないと言えるでしょう。

特に0歳~3歳クラスを担当する場合、食べこぼしを片づけたり、トイレを失敗してしまった子の対処をしたりと、まったく手や衣服が汚れない日の方が少ないはずです。

もちろんそれより年長のクラスを見る場合でも、まったく汚れを心配しなくてよいというわけではありません。

きれい好きすぎる人は日々ストレスを貯めながら働く事になってしまうため、仕事選びの際には十分注意する事をおすすめします。

ただ、きれい好きでも潔癖症のレベルではない場合、子ども達が過ごす空間を清潔に保つ事に配慮できるためむしろ保育士には向いていると言えるかもしれません。

保育の仕事に活かせる資格・スキル・経験

次に本項目では、どんなスキルが保育の仕事に活かせるのかをご紹介していきます。

保育のお仕事においては、一見関係ないように思える資格や経験が役に立つ事もあるため、ぜひご確認ください。

保育の仕事に活かせる資格

まず初めに、保育に活かせる資格をご紹介します。

ここでご紹介するのは、「チャイルドマインダー」「リトミック指導者」「臨床発達心理士」の3つ。

チャイルドマインダーは家庭保育の専門資格であり、主に家庭内で少人数の保育を行うためのものです。

女性の社会進出が進んだ産業革命期のイギリスで、託児の需要が増加したために生まれたサービスが発祥といわれています。

日本では保育士と比較するとマイナーで、あまり知られていない資格ではありますが、現在は少人数制保育の場などを中心に需要が増加しています。

保育園でも職場によっては保育士資格とは別にチャイルドマインダー取得を必須とする場合もあるため、取得によって仕事選びの幅が広がるといえるでしょう。

次に挙げられるのが「絵本専門士」の資格。

子ども向けの絵本選定や、読み聞かせのプロフェッショナルである絵本専門士はかなりの難関資格です。

というのも、資格試験が難しいからではありません。

資格取得には講座を受講する必要があり、その講座も絵本に関しての実務経験や研究実績がある応募者の中から選考をし、通過者のみが受講する事ができるというシステムとなっているからです。

講座は少人数制を採っており、受講できるのは毎回60人前後といいます。

本年度で7度目の受講者募集となる新しい資格であるにも関わらず、本年は15.7倍とかなりの高倍率。

きめ細かな指導と、内容の濃いカリキュラムを受けられるため人気が高いようです。

修了できれば講座で得た知識を読み聞かせやボランティア、家庭での読み聞かせ指導などに役立てられるだけでなく、リハビリなど保育以外の現場にも活躍の場を広げる事ができます。

三つ目に挙げる「リトミック指導者」の資格は、リトミック教育の専門資格です。

リトミック教育とは子どもの情操や身体能力を育てるために音楽を用いる教育方法ですが、認知症予防など、大人を対象としたリトミックも実施されるようになってきています。

こちらの資格も保育のみならず、医療の場などでも役立てられる汎用性の高い資格ではあります。

しかし、取得後も年会費がかかり、未納となった場合は資格の更新が停止されてしまう点には注意しなければなりません。

他には心理学分野の資格で有名な「臨床心理士」、乳児~児童期の子どもの心理を扱う「臨床発達心理士」の資格も活かせるといいます。

とくに後者はこころの成長に関しての専門家であるという観点から、保護者に対してもより深いアドバイスをする事が可能です。

保育の仕事に活かせるスキル・経験

そして、保育の仕事に活かせる経験としてまず挙げられるのは「ベビーシッター」の経験でしょう。

ベビーシッターは主に依頼主の家の中で、乳幼児の面倒を見る仕事です。

日本ではあまり見かけませんが、ワーキングホリデーなど海外で就労する際には、カフェ店員などと並び「現地で選びやすい仕事」の1つとして数えられています。

なぜかといえば、海外(特にオーストラリア、アメリカなど)では日本よりもベビーシッターの利用が一般的で、無資格から挑戦する人も多いからです。

大切な子どもを預かるという責任ある仕事ではありますが、経験しておく事で保育士の感覚を事前にある程度掴めるでしょう。

また、小さな子どもは一か所にじっとしている事が難しく、危険に繋がる遊びをしてしまう事も多々あります。

そんな子どもたちを数十人預かり、隅々まで目を光らせる事は容易な事ではありません。

ここで活かせる経験としては、「飲食店勤務」が挙げられるでしょう。

一見関係ないように思えますが、並行して複数のお客様のテーブルの状況を把握して対応するなど、広い視野を持つ習慣が身についている人が飲食店(特にホール業務)経験者には多いのではないでしょうか。

たとえ学生時代のアルバイトなどでも、ホール業務を問題なくこなせていたという人は保育士に挑戦する事もできるかもしれません。

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ここまで保育のお仕事について詳しくお伝えしてきました。

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